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≪月刊『タックスニュース』4月号≫第17回~平成25年度税制改正より~

2013/04/15 カテゴリ:タックスニュース

 平成25年度税制改正大綱が3月末に国会で正式に決議されました。平成25年度税制改正項目より今月は金融商品の税務上の取り扱いの改正点についてお伝えします。

(1)軽減税率の廃止
上場株式等の配当や売却した時の売却益に対する軽減税率が廃止となります。
平成25年12月末まで:10%(所得税 7%+住民税3%)
平成26年1月1日以降:20%(所得税15%+住民税5%)

(2)日本版ISA(少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)の運用開始
 上記(1)による税率アップに対応するため、この制度が開始されます。
 この制度は平成26年1月1日からのスタートで、証券会社で一定の条件を満たす口座を開設した場合に、1年間で100万円までの投資については、この投資から発生する配当や譲渡益は非課税にするというものです。非課税期間は5年間で、投資可能な期間は10年間となります。
 例えば、一定の条件に該当するという前提で、平成26年に100万円の投資をした場合、5年後の平成30年までは、この100万円の投資から発生する配当や、売却した時の売却益については、所得税等が非課税になります。

(3)株式等の譲渡所得の計算方法の見直し
 平成28年1月1日以降、上場株式等を売却した時に発生する損失との相殺が可能な範囲が拡大されます。代表的な例の一つとして公社債等が該当し、公社債等を売却した時の売却益と上場株式等を売却した時の売却損を相殺することが可能になります。
 一方で、非上場株式等を売却した時の売却益との相殺は不可となりました。これにより、中小企業など上場していない法人の株式を、事業承継等で売却して売却益が発生しても、同一年度内に発生した上場株式の売却損があれば、相殺することで節税効果を得ることが可能でしたが、平成28年1月1日以降は、この方法が使えなくなります。

 金融商品に対する税制は複雑なものなので、今回は代表的な改正内容をお伝えしました。
 特に(3)については、事業承継計画等において大きく影響を及ぼす可能性がありますので、未上場株式を所有されている方は注意が必要となります。株式所有の有無、所有されている未上場株式の株価がどのくらいになっているのか、どのタイミングで売却すると効果的な節税となるのか等々、弊社担当者から確認の上、必要に応じて提案させて頂きます。

※平成25年度税制改正大綱が国会にて正式に決議されたことにより、2月号、3月号のタックスニュースでお伝えした案もそのまま適用されることになります。
                                        (文責 多田俊生)

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