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≪月刊『タックスニュース』10月号≫第47回 ~年末調整 Q&A~

2015/10/15 カテゴリ:タックスニュース

今年も早いもので残りあと2ヶ月ほどとなりました。従業員さんをかかえる事業所にとっては1年間の
給与計算の締めくくり、「年末調整」の時期が近づいてまいりました。
そこで今回は、年末調整の時によくご質問いただく内容について、いくつかご紹介いたします。

Q1.妻のパートの年収が103万円を超えてしまいました。私の所得税の負担は大きくなりますか?
A1.所得税において「配偶者控除」は年収103万円以下(交通費含まない)という条件があり、
   一律38万円の所得控除を受けられます。
   しかしながら、103万円を超えた場合でも年収141万円未満までは「配偶者特別(・・)控除」が
   適用され、段階的に控除を受けることができます。
   例えば年収110万円の場合の配偶者特別控除額は31万円となり、103万円を超えたからと
   いって一気に税負担が大きくなるわけではありません。
   一つ注意点としては、納税者(今回のケースでは夫)の年間合計所得が1,000万円を超えて
   いる場合、この配偶者特別控除を受けることができません。

Q2.離婚をしました。子どもはいませんが、「寡婦」に該当しますか?
A2.「寡婦」に該当しません。
   寡婦とは、その年の12月31日の時点で納税者が下記のいずれかにあてはまる場合をいい、
   27万円の控除が受けられます。
   ①夫と死別又は離婚した後婚姻をしていない人、又は、夫の生死が明らかでない一定の人で、
    扶養親族がいる人又は生計を一にする子がいる人。
    この場合の子は、総所得金額等が38万円以下に限られます。
   ②夫と死別した後婚姻をしていない、又は、夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所
    得金額が500万円以下の人。この場合は、扶養親族などの要件はありません。
   離婚の場合、扶養親族等がなければ、合計所得金額が500万円以下であっても寡婦には該当
   しません。
   ※「寡夫」の場合は上記要件と異なります。

Q3.扶養親族にしていた私の父が亡くなりました。
   12月31日の時点で存在しないので、今年の扶養には入れられませんか?
A3.今年の扶養に入れることができます。
   本来、扶養控除や控除対象配偶者に該当するかどうかは、その年12月31日の現況によっ
   て判断することとなっています。
   ただし、配偶者その他の親族が年の中途で死亡した場合は、その方の死亡時の現況で控除
   対象配偶者又は扶養親族に該当するかどうかを判定します。
   会計処理のように、月割り計算なども必要ありません。

年末調整について、ご不明な点がございましたらお気軽に担当者までお問い合わせください。 
(文責 成瀬 麗)