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≪月刊『タックスニュース』9月号≫ 第22回 ~所得拡大促進税制について~

2013/09/15 カテゴリ:タックスニュース

 みなさん、こんにちは。今月は平成25年度税制改正にて創設された所得拡大促進税制についてお伝えいたします。所得拡大促進税制とは、青色申告書を提出している法人や個人事業者が一定の要件を満たした場合に、従業員への給与支給増加額の10%を法人税額や所得税額から控除することができる制度です。ただし、控除できる金額には上限があります。法人税額の10%まで、中小事業者や個人事業主であれば20%までです。一定の要件とは以下の3点です。
①給与等支給額が基準事業年度の給与等支給額と比較して5%以上増加していること。
②給与等支給額が前事業年度の給与等支給額を下回らないこと。
③平均給与等支給額が前事業年度の平均給与等支給額を下回らないこと。
※PDF参照

 ※基準事業年度とは、平成25年4月1日以後に開始の事業年度のうち最も古い事業年度の直前事業年度です。3月末日決算の法人の場合、基準事業年度は平成25年3月期です。
 ※平均給与等支給額=A÷B 
  A:適用年度の給与等支給額から日雇い労働者分を差し引いた金額
  B:国内雇用者の数から日雇い労働者を差し引いた人数の各月の合計数
 この制度の適用期間は、法人は平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する各事業年度、個人事業者は平成26年分から平成28年分までの各年度です。利用に際しては、事前の特別な手続きはなく、確定申告書に控除を受ける金額など計算に関する明細書を添付することになります。注意点は、国内の従業員の給与が対象となることです。海外の支店に勤務する従業員の給与は含みません。役員や役員の配偶者など特殊支配関係者の給与、それから日雇い労働者も含みません。
 また、雇用促進税制の適用を受けられる状況にある場合には、この制度とどちらか一方しか受けられません。雇用促進税制は適用年度中に雇用者数を5名以上(中小企業は2名以上)かつ10%以上増加させる等の要件を満たした場合に税額控除を受けられる制度です。雇用者数の増加1人あたりの控除額は40万円で、法人税額の10%(中小企業は20%)が限度となります。ただし、事前にハローワークに「雇用促進計画」を提出する必要があります。どちらが有利になるか確認して、上手に制度を活用したいですね。          (文責 谷村 英子)