日本に住所のある20歳以上60歳未満の方は、国民年金に加入し、保険料を納めることが法律で義務づけられています。しかし、経済的な理由で保険料が負担となり未納になっている方や、年金に対する不安があり未納となっている方が多くいらっしゃいます。厚生労働省の発表によると、2014年度では実際に支払われた割合を示す納付率は63.1%で、保険料を免除・猶予された人は納付率の計算から除外されているため、実際に納付された割合は40.6%となっています。
国民年金保険料は、納付期限から2年を経過した未納分は、時効によって納付することができませんでしたが、平成24年10月1日から平成27年9月30日の3年間に限って納付可能期間を10年に延長する「後納制度」があります。
保険料の納め忘れがあると、将来受け取る年金が少なくなったり、納付済期間が不足している場合は年金そのものを受け取れないという結果になります。
納付の意志があったにも関わらず、何かしらの理由で納付できなかった方も、「後納制度」を利用して将来受け取る年金を増やすことが可能になります。また、後納した保険料は支払った年の
社会保険料控除として全額が控除対象になり、税金の負担を軽減することができます。ただし、後納制度を利用する場合、未納分の保険料はまとめて納付することになるので高額になること、2年
より前の未納分については保険料とは別に加算金も納めることになりますので、ご注意ください。
【利用可能な方】
① 20歳以上60歳未満の方で、10年以内に納め忘れや未加入期間がある方
② 60歳以上65歳未満の方で、①の期間のほか任意加入中に納め忘れの期間がある方
③ 65歳以上の方で、年金受給資格がなく任意加入中の方など
※年金受給資格☞納付済期間と免除期間を合わせて25年以上あること
消費税率10%への引き上げ時(平成 29年4月)には10年に短縮される予定
【申込み方法】
① 「国民年金後納保険料申込書」に必要事項をご記入の上、年金事務所に提出
② 年金事務所にて審査・承認☞承認後、承認通知書・納付書が送付される
③ 送付された納付書で金融機関またはコンビニエンスストアにて納付
国民年金というと、将来受け取る年金をイメージしますが、病気やケガなどで法令により定められた障害の状態になった時の障害年金や、万が一お亡くなりになった時、その方によって生計を
維持されていた18歳到達年度の末日までの子のいる配偶者または子に支給される遺族年金も含まれています。平成27年9月30日に後納制度の納付期限を迎えます。納め忘れのある方は、この機会に「後納制度」をご活用してはいかがでしょうか。
(文責 井上 光義)