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≪月刊『タックスニュース』1月号≫第26回~ゴルフ会員権等の譲渡損失に係る所得税法の改正について~

2014/01/15 カテゴリ:タックスニュース

 みなさん、こんにちは。先月発表された平成26年度税制改正大綱より、ゴルフ会員権等の譲渡
損失に係る所得税法の改正についてお伝えします。

【現行の制度】
 所得税法では、個人の趣味や娯楽または保養のために所有している別荘・古美術品・貴
金属類などの「生活に通常必要でない資産」の譲渡による損失は、他の所得との損益通算
を認めないこととしています。
 しかし、現行ではゴルフ会員権やリゾート会員権は「生活に通常必要でない資産」に該
当せず、譲渡金額が購入金額(名義書換料含む)を下回り、譲渡損が発生した場合は、事
業所得や給与所得など他の所得と損益通算することができます。
※ただし、ゴルフ場が倒産し、プレイが不可能になった後で譲渡した結果生じた損失は、
 譲渡所得とはならず、他の所得との損益通算が認められません。

【改正後の制度】
 今回の大綱では、ゴルフ会員権等も「生活に通常必要でない資産」の範囲に含まれるこ
ととなりました。つまり、ゴルフ会員権等を譲渡して損失が発生しても、他の所得との損
益通算を行うことはできなくなります。
 適用対象となるのは、平成26年4月1日以降の譲渡からとなりますが、譲渡損失の計
上は契約日を基準とすることが認められていますので、譲渡損失が見込まれるゴルフ会員
権等を所有されている場合、他の所得との損益通算をするためには、遅くとも平成26年
3月31日までに売買契約を締結する必要があります。
 個人でゴルフ会員権等をお持ちで、売却をお考えになっている方は、是非一度ご相談く
ださい。
 また、平成25年中にゴルフ会員権等を譲渡された方は、平成26年3月17日までに確
定申告書の提出が必要となりますので、以下の資料をご準備ください。
 ・源泉徴収票(給与所得がある場合)
 ・売買契約書や売買計算書
 ・ゴルフ場に支払った名義書換料の領収書など明細がわかるもの
 ・売買時に支払った業者や仲介者に支払った手数料の領収書
※上記改正は、個人所得税に関するものであり、法人が所有するゴルフ会員権              
 等には影響がありません。法人の所有するゴルフ会員権等については、
 従来通り譲渡に係る損益のほか、倒産や預託金返還による損益についても、
 税法上の益金または損金として認識されることとなります。

(文責 丸山博子)