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≪月刊『タックスニュース』1月号≫第38回 ~27年から改正される税制と今後の動向~

2015/01/15 カテゴリ:タックスニュース

 新たな年を迎え、税金の分野においてもいくつかの新しい制度・変更点があります。昨年末に公表
された税制改正大綱を含め、今回は平成27年から変更になる主な税制と今後の動向についてまとめま
した(下記【税制改正大綱】については、27年3月の通常国会を経て確定する予定です)。

法人税
  【税制改正大綱】
  年末に報道されていたように、法人税の実効税率が27年度から段階的に引き下げられます
(27年4月1日以後に開始する事業年度において適用)。国税と地方税を合わせた標準税率を現行
 34.62%から27年度は2.51%引き下げ、32.11%となります。
  資本金1億円以下の中小法人は7割が赤字法人であるといわれており、また年800万円以下の
  課税所得の税率はすでに軽減税率が適用されているため、800万円超利益を出している場合
  などを除き、今回の税率の引き下げに伴う中小法人への影響は限定的となります。
   また、資本金1億円超の法人に対する外形標準課税についても、中小企業への課税対象拡大
  が今回は見送られたため、今年の改正による中小法人への影響はありません。

所得税・住民税
 ・【確定】所得金額4,000万を超える部分については、税率が従来の50%から55%に変更
 ・【税制改正大綱】
   見直しが検討されていた配偶者控除は28年度以降に見直しを先送り。27年は従来通り妻の年
  収が103万円以下の場合に、夫の課税所得から38万円が差し引かれ所得税額が減額されます。

相続・贈与税
 ・【確定】
   相続税の基礎控除額(税金がかからない非課税となる額)の減額
    
   26年以前:5,000万円+1,000万円×法定相続人の数     ※図1(PDF参照)
               ↓
   27年以後:3,000万円+600万円×法定相続人の数
 ・【税制改正大綱】
   住宅購入資金の贈与の非課税枠の拡充(1,000万円→27年は1,500万円)
   ※住宅用家屋の要件有
   今後の消費税の増税時期により、28年以降は駆け込み需要を抑制するための非課税枠の増減
   が見込まれるため、注意が必要です。

住民税(ふるさと納税)
【税制改正大綱】
 税金が軽減される寄附の上限額が27年から2倍に引き上げられます。また、
確定申告が不要な給与所得者等は、5つの自治体までなら確定申告なしで自動
的に減税される仕組みとなります(27年4月1日以降に行われる寄附より適用)。
従来は所得税・住民税からの控除でしたが、今後は住民税からの控除となりま
す(住民税への適用は28年度以後)。
 ※ふるさと納税の詳細は、タックスニュースH26年11月号にて記載

主な税制改正大綱については、確定次第こちらの『タックスニュース』にて詳細をお知らせします。
(文責:橋本 明日香)