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≪月刊『タックスニュース』2月号≫第15回~平成25年度税制改正大綱より~

2013/02/20 カテゴリ:タックスニュース

 今月は平成25年度税制改正大綱より、『所得税などの税率』『相続税の基礎控除』『孫に教育資金を贈与した場合の贈与税の非課税制度』についてお伝え致します。今回の項目は現段階ではすべて案となっています(タイトルで『大綱』とありますように、法案が国会を通過して正式決定となります)。

1.税率

①所得税の最高税率
  【現 行】課税所得1,800万円を超える部分 40%
  【改正案】課税所得4,000万円を超える部分 45%
※課税所得とは利益から医療費控除や配偶者控除などの所得控除を差し引いた金額のことをいいます。
  ※改正案は平成27年分からの所得税に適用されます。

②相続税(最高税率のみ一部抜粋)
【現 行】課税標準3億円を超える部分 50%
  【改正案】課税標準6億円を超える部分 55%
 ※課税標準とは相続税の対象となる財産から借入金や葬式費用などの債務と相続税の基礎控除を差し引いたものをいいます。
 ※平成27年1月1日以降の相続から適用されます。

③親子間の贈与による贈与税(最高税率のみ一部抜粋)
 【現 行】課税価格1,000万円を超える部分 50%
 【改正案】課税価格4,500万円を超える部分 55%
  ※課税価格とは贈与税の対象となる財産から贈与税の基礎控除を差し引いたものをいいます。
  ※平成27年1月1日以降の贈与から適用されます。

 ④③以外の贈与による贈与税(最高税率のみ一部抜粋)
【現 行】課税価格1,000万円を超える部分 50%
 【改正案】課税価格3,000万円を超える部分 55%
  ※課税価格とは贈与税の対象となる財産から贈与税の基礎控除を差し引いたものをいいます。
  ※平成27年1月1日以降の贈与から適用されます。

 相続税・贈与税については、税率表が細かく見直されました。詳細はここでは省略しますが、法案が決まりましたら弊社担当者よりお伝え致します。

2.相続税の基礎控除
 この改正項目は以前から検討されていたもので、内容は変わりませんが、改めて確認しておきます。
相続税の基礎控除は相続税の計算をする時に、対象となる財産の評価額から差し引くもので、法定相続人の数によって金額が変わってきます。具体的な計算式は下記の通りです。
【現 行】相続税の基礎控除=5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)
【改正案】相続税の基礎控除=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
※改正案は平成27年1月1日以降の相続に適用されます。

 法定相続人とは、法律で相続する権利があると認められた人のことで、例えば、父・母・長男・長女の4人家族で、父が亡くなった場合の法定相続人は基本的には母・長男・長女の3人となります。この場合、上記算式の法定相続人の数は3人となり、相続税の基礎控除は8,000万円から4,800万円になります。

3.孫へ教育資金を贈与した場合の非課税制度
 孫の学費等の教育資金を負担した場合、1,500万円までは贈与税を非課税にするというものです。これまでも学費等が必要になった時に、適正な範囲内でその都度負担していれば贈与税の対象にならないことが多かったですが、一括で孫の教育資金を負担することが可能になります。非課税となる金額も1,500万円までと明確にされています。
 この制度は、孫の年齢が30歳未満であること、教育資金以外の目的で使用した場合には贈与税の対象になることなど、注意点がいくつかありますが、上手に活用すると相続対策にもつながりますので、検討の余地はあると考えられます。

(文責 多田俊生)

≪月刊『タックスニュース』2月号≫第15回~平成25年度税制改正大綱より~

今月は平成25年度税制改正大綱より、『所得税などの税率』『相続税の基礎控除』『孫に教育資金を贈与した場合の贈与税の非課税制度』についてお伝え致します。今回の項目は現段階ではすべて案となっています(タイトルで『大綱』とありますように、法案が国会を通過して正式決定となります)。