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≪月刊『タックスニュース』10月号≫第11回~税理士などへの報酬の源泉所得税について(復興特別所得税創設による影響)~

2012/10/15 カテゴリ:タックスニュース

 平成24年5月号でお伝えしました復興特別所得税ですが、今回は税理士などに支払う報酬の計算に与える影響についてのお話です。
 復興特別所得税とは平成25年から課せられる税金で、税額はその年の所得税額に2.1%(1000分の21)を乗じた金額となります。このため、作家やイラストレーターなどに支払う原稿料や講演料、弁護士や税理士など特定の資格を持つ人に報酬・料金などを支払う際には注意が必要です。原稿料や報酬などを支払う場合、一定の割合の所得税を源泉徴収しますが、この源泉徴収する税額に2.1%の復興特別所得税が上乗せされることになるからです。
【税理士などへ支払う報酬の源泉所得税額の変更点】
①平成25年1月1日以降に発生する報酬等から適用
②従来の税率にその2.1%を上乗せした合計税率により源泉徴収する所得税額を算出
          例)税理士などへの報酬  100,000円(税抜)
                 ※従来の源泉所得税の税率は10%
            →合計税率    10%+(10%×2.1%)=10.21%
            →納付すべき税額 100,000円×10.21%=10,210円
            →報酬の支払金額 105,000円(税込)-10,210円=94,790円

 納付すべき税額と報酬の支払金額の合計額は以前と変わりありませんが、源泉徴収する税額を間違ってしまうと報酬の支払金額も間違えてしまうことになります。
 実際のところ、手取契約としてキリの良い金額を、税引き手取額として支払うケースが時々見受けられます。そうした場合の源泉所得税額の計算は複雑になってくるので、特に注意が必要です。
 納付の際は、従来の所得税と復興特別所得税を合算した金額で1枚の納付書に記載して納付するため、これまで通りの方法で納付して頂ければ大丈夫です。
 この他にも、復興特別所得税は日常の業務に影響してきます。平成25年1月1日以後に支払う給与から復興特別所得税を含めた所得税額を源泉徴収しなければなりません。給与計算の際は、必ず新しい税額が記された平成25年分の源泉徴収税額表で税額を確認するようにしてください(平成25年分の源泉徴収税額表は、今年の年末調整の際に他の資料とともに税務署より送付されます)。
 復興特別所得税は平成49年まで25年間続きます。平成49年には私は仕事から離れ、今まだ小さい子供たちが働く現役世代となっているでしょう。震災の大きさを考えるとこの年月の長さにもうなずくことができます。こうした世代を超えた支援によって、被災地が災害に強い町として復興し、誰もが2度と同じ被害にあわないことを更に強く願っています。           
                                                    (文責 橋本明日香)

≪月刊『タックスニュース』10月号≫第11回~税理士などへの報酬の源泉所得税について(復興特別所得税創設による影響)~

平成24年5月号でお伝えしました復興特別所得税ですが、今回は税理士などに支払う報酬の計算に与える影響についてのお話です。 復興特別所得税とは平成25年から課せられる税金で、税額はその年の所得税額に2.1%(1000分の21)を乗じた金額となります。このため、作家やイラストレーターなどに支払う原稿料や講演料、弁護士や税理士など特定の資格を持つ人に報酬・料金などを支払う際には注意が必要です。原稿料や報酬などを支払う場合、一定の割合の所得税を源泉徴収しますが、この源泉徴収する税額に2.1%の復興特別所得税が上乗せされることになるからです。