今年も確定申告の時期が近づいてまいりました。今回は来年のために今から備えておきたい節税チ
ェックポイントを2つご紹介します。
その1 メリットの大きい個人型確定拠出年金
いわゆる日本版401Kといわれ、個人で厚生年金に相当する部分を補うための付加年金制度のことで
す。元本割れのないタイプを選択することができ、賢く利用する人が増えています。
個人事業主であれば、掛け金は月額5,000円から68,000円まで千円単位で設定でき、掛け金は全額
所得控除の対象となります。
【例】所得が500万円(所得税率20%)のAさんが、月々30,000円を掛け金とした場合
30,000円×12ヶ月×20%=72,000円 の節税
⇒ 30年間掛け続けた場合…72,000円×30年=2,160,000円 の節税
なお、60歳になると一時金か年金型のいずれかの方法で受け取ることができます。
一時金として受け取る場合は退職所得控除が、年金として受け取る場合は公的年金控除が受けられ
ます。
【例】Aさんが30年間掛け金を拠出し、60歳で一時金として受け取る場合
72,000円×30年=10,800,000円の受け取り
※退職所得控除の計算式 ※図1(PDF参照)
『800万円+70万円×(勤続年数―20年)』 にあてはめると
Aさんの場合1,500万円までが退職所得控除として 非課税
まずは月額5,000円からスタートし、所得が増えてきた頃に増額をするといったことも可能です。
受け取り時の退職所得控除の『勤続年数(拠出年数)』を長くするために、節税の面からは早い時期
から加入されることをおすすめします。
その2 意外と漏れがちな医療費控除
医療費控除の対象となる支出には、意外と知られていないものがいくつかあります。
■ 通院のための電車代・バス代
領収書が出ないものについてはメモ書きでも構わないとされています。
■ ドラッグストアで購入した風邪薬や目薬の代金
医療機関で処方された薬代でなくても認められています。
■ 大人用おむつ代
子供用のおむつ代は認められていませんが、大人用(介護用)は認められています。
なお、これらの医療費控除は同居の親族でなくても、仕送りをしているなど生計を一にする親族で
あれば、まとめて控除することができます。
【例】 夫の医療費…3万円
妻の医療費…4万円
仕送りをしている一人暮らしの息子の医療費…2万円 ※図2(PDF参照)
仕送りをしている(生計を一にする)祖母の医療費…5万円
医療費控除を受けるにはご家族全員分の領収書を保管しておく必要があります。判断に迷うものが
ございましたら、お気軽に弊社担当者までご相談ください。
(文責:成瀬 麗)